バチカンは世界最小の国家として有名だ。
ローマ教皇の御座所で、イタリアのローマ市内にある。
そのバチカンで、公用車を全て電気自動車(EV)に転換する方針が発表された。
▽ヴァチカン
フォルクスワーゲン
EVへの転換を実施するにあたり、教皇庁は独フォルクスワーゲンと契約した。
すでに2台が納車されていると言う。
目標期限は2030年で、市内には充電ネットワークを築く計画だ。
更に、電力には再生可能エネルギーを利用する。
バチカンの全車両をEV化、フォルクスワーゲンが提供 - CNN.co.jp
バチカンが独VWと契約、全公用車を30年までにEV切り替え | ロイター
EU
これはヨーロッパ連合(EU)の話であるが、EU域内では、2035年よりガソリン車の新車販売が原則として禁止される。
加えて、2050年には域内での温室効果ガス排出量ゼロを目指している。
EU、ガソリン車の新車販売禁止 35年までに - 日本経済新聞
なお、日本でも同様の計画が発表されていることを付記しておく。
教皇フランシスコ
2013年に選出された教皇フランシスコは、その2年後の「回勅」(あるテーマに関して信徒に語りかける手紙)において、環境問題に言及した。
その中で、教皇は社会的弱者と脆弱な自然環境とが同時に傷つけられていることを指摘した。
また、最近の日曜正午の祈りでは、教皇は「気候危機は、すべてを生命のためにつくられた神の計画に反するもの」と訴えている。
「地球上の生命を脅かす気候危機」教皇、日曜正午の祈りで - バチカン・ニュース
COP28
環境保護を重要視し、化石燃料からの脱却を主張している教皇フランシスコは、間もなく開催される国連気候変動枠組条約締約国会議(COP28)に出席する。
会議は2023年11月30日から約2週間開かれる予定だ。
今年の開催地はアラブ首長国連邦(UAE)のドバイだが、波紋もある。
議長に指名された人物が、UAEの石油会社のCEOだからだ。
グレタ・トゥンベリ
ここで、スウェーデンの環境活動家グレタ・トゥンベリに登場してもらおう。
彼女は繰り返し、各国の指導者や大企業幹部が、「自分たちや企業の強欲、目先の経済的な利益を、一般大衆や地球(環境)より優先させている」と訴えている。
これは、おそらく環境活動家の間では常識なのだろう。
そういう意味でも、今年のCOP28の議長を石油会社のCEOが務めることは、何か時代錯誤の感がないでもない。
なお、グレタはこの決定に関して「笑止千万だ」とコメントしている。
大企業や各国指導者の強欲批判 環境活動家グレタさん、ダボスで(共同通信) - Yahoo!ニュース
追記
今朝、ローマ教皇が健康問題でCOP28への参加を取り止めたと報道された。
教皇は「とても残念な気持ち」で医師の勧めに従ったと言う。