人類の宇宙開発・探査技術は今、加速的な進歩を見せています。
ここ数年で最も著しい特徴は、民間企業の宇宙進出が進んでいることです。
2021年より、スペースX社の宇宙船クルードラゴンが国際宇宙ステーション(ISS)へ宇宙飛行士を運んでいます。
また、2024年6月には、ボーイング社の宇宙船スターライナーが同じく、宇宙飛行士をISSへ送り届けることに成功しました。
宇宙船スターライナーは同年9月6日、無事に地球へ帰還しています。
しかし、機体トラブルのため無人での帰還となり、送り込まれた宇宙飛行士2人はISSへ残されることになりました。
NASAは宇宙飛行士をISSへ送り届ける宇宙船を複数確保したいのですが、スターライナーが正式に採用されるかどうかは不明です。
ボーイングの宇宙船「スターライナー」、無人で地球に帰還(1/2) - CNN.co.jp
2024年2月、インテュイティブ・マシンズ社の無人月着陸船オデュッセウスが民間企業として初めての月面着陸に成功したことは注目に値します。
前年には日本のispace社が民間初の月面着陸に挑んでいますが、こちらは失敗に終わってしまいました。
ispace、民間初の月面着陸に失敗 「次へ大きな一歩」 - 日本経済新聞
最も新しいニュースで注目されるのは、民間人による船外活動の計画です。
今日9月11日、スペースX社のクルードラゴンが打ち上げられました。同社による有人宇宙飛行ミッション「ポラリス・ドーン」です。
民間人による船外活動が成功すれば、今後の宇宙開発・探査における可能性が更に拡大するかもしれません。
スペースXの「ポラリス・ドーン」打ち上げ 民間人初の船外活動へ(1/2) - CNN.co.jp
他にも、アマゾン創業者のベゾス氏が設立したブルーオリジン社の宇宙旅行船が有人での打ち上げに複数回成功しています。
ベゾス氏のブルーオリジン、有人7回目の宇宙旅行に成功 | ロイター
少し遡りますが、2021年にはゾゾタウンの前澤社長がISSを訪問し、コロナ禍(2019年末~)において世間を賑わせました。
しかし、同氏が予定していた月周回旅行は計画の先行きが見えないことから中止となってしまったようです。
前沢友作さんが月周回旅行を中止 「実現見通し不明瞭」 - 日本経済新聞
さて、最近の宇宙開発・探査の動向として見落とせないのは、人類が現在、歴史上最も月と火星に近付いているということです。
NASAの「アルテミス計画」では、アポロ11号(1969年)以来初めての有人月面着陸を計画しています(2026年予定)。
NASAのアルテミス計画、有人月面着陸を26年に延期 開発難航 | ロイター
同計画は月周回上の有人拠点「ゲートウェイ」の建設を含みます。同拠点は月や火星探査における中継地点として機能する予定です。
また、NASAは2030年代に火星へも有人着陸を成功させる計画です。
この点では、スペースXのマスク氏が意欲的にも、2年後に宇宙船スターシップを無人で火星へ送り届ける考えを表明しています。