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欧米諸国と対立悪化するイラン

欧米諸国とイランとの間の対立が激化しつつあります。

 

戦後のイランは長らく、国王パフレヴィ―2世の下で親米・親英政策が取られ、イスラエルとの関係も決して険悪ではありませんでした。

 

全ての関係を変えてしまったのが、1979年のイスラム革命です。これにより、イランでは王政が打倒され、反米のイスラム教国家が成立しました。

 

イランはイスラエルをイェルサレムを奪ったイスラムの敵と呼び始めます。

 

また、同年にはイランの学生たちがテヘランのアメリカ大使館を占拠し、人質を取る事件が発生しました。彼らの要求は亡命した国王の引渡しです。

 

アメリカとイランとの間の対立は、この時に始まったものです。

 

イスラエルとイラン なぜ対立しているの? | NHK

アメリカはなぜイランを嫌うのか |NHK NEWS WEB

 

2002年にはイランの核開発が発覚し、欧米諸国が制裁に踏み切りました。しかし、オバマ大統領の努力で、両者間に核合意(2015年)が成立して、制裁も解除されました。

 

これを覆したのが、トランプ大統領です。アメリカは一方的に核合意から離脱(2018年)し、イランへ新たな制裁を課しました。

 

核合意とは イランを巡る動きなど解説 - 日本経済新聞

イラン大統領、核合意再建へ「米国は決断を」 国連演説 - 日本経済新聞

 

アメリカが核合意から離脱して以後、イランは合意の上限を超える濃縮度60%のウランの製造を進めており、国際社会は懸念を強めています。

 

また、2024年6月には、イラン政府から国際原子力機関(IAEA)への通達で、ウラン濃縮に使う遠心分離機の増設計画が発表されました。

 

ただ、核合意へのアメリカの復帰については、現在も交渉が続けられています。

 

イラン ウラン濃縮に使う遠心分離機の増設をIAEAに通告 イギリス フランス ドイツが非難の共同声明 | NHK | イラン

 

2024年4月、イスラエルがシリアのイラン大使館を攻撃したことにより、イランがイスラエル領内に報復攻撃を行う事件が発生しました。

 

イランがイスラエルに直接的な攻撃を加えたのは、今回が初めてのことです。同国はガザの停戦協議でもイスラエルへの攻撃の可能性を表明しています。

 

シリアのイラン大使館に攻撃、イスラエル空爆か 革命防衛隊幹部ら死亡 | ロイター

ガザ停戦協議、失敗ならイスラエルを直接攻撃=イラン当局者 | ロイター

 

最も新しい報道では、イランがロシアへウクライナで使用される短距離弾道ミサイルを供与したことが明らかになっています(2024年9月)。

 

欧米諸国は数日の内に、取引きに関係したイラン・ロシアの企業や個人、イラン航空への制裁を発表しました。

 

米欧がイラン制裁、ロシアに弾道ミサイル供与で イランは否定 | ロイター

 

2024年5月のヘリ事故でイランのライシ大統領と外相が亡くなったため、新たにペゼシュキアン氏が大統領に就任しています。

 

同氏は欧米諸国との関係改善を掲げる一方、ロシアとの間で天然ガスの供給契約を結んだことが明らかになっており、問題視されています。

 

イラン大統領と外相が死亡、ヘリ墜落で 周辺諸国が弔意 | ロイター

イラン ロシアから大量の天然ガス受け入れる契約合意 | NHK | イラン


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